LIFE LOG(カワカミ・レポート)

カワカミ・ノート

おもに都市計画やまちづくりに関わる考察などを書いていきます。

LRTについて

 以前から思っていたことなのだが、LRTとは結局のところ何なのだろうか。
 大学時代に初めてLRTの写真を見たとき、「バージョンアップしただけの『路面電車』ではないか」と感じた。その後、富山市LRTに実際に乗ってみたり、LRTについて書かれている本をいくつか読んでみたりしたけれど、いまだに路面電車がバージョンアップしたに過ぎないと思っている。
 路面電車に比べて、低床でバリアフリーであるとか、他の交通インフラと連携しているとか、いろいろ言われているが、結局どこからがLRTでどこまではLRTではないのか。線引きがよく分からない。
 日本のLRTの事例は、富山市宇都宮市(建設中)の二つといわれているが、路面電車をバージョンアップした事例なら他にもある。けれども、熊本市のように低床車輌を導入しただけではLRTとは呼ばずLRVというらしい。では、LRTとLRVの境はどこにあるのだろう・・・。
 一つの文献によれば、「LRTがどのような都市交通システムを指しているのか、その定義は国や文献によって異なっており、明確ではない。(中略)もはや呼び方によってLRT路面電車の機能の区別をつける必要性は乏しくなりつつある」という。
 LRTが何なのかは、よく分からない。

 

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参考:『路面電車新時代 LRTへの軌跡』服部重敬