地方都市とは人口のダムみたいなものだと思う。(1)
現代人は、放っておけば豊かな暮らしを求めて、農山漁村から地方都市へ、地方都市から中核都市へ、中核都市から首都へと流れ込んでいく。居住移転の自由が許されている以上は仕方がない。
問題は、そのなり行きに任せていると、首都に人口が溢れかえってしまうことにある。渋滞しかり、コロナしかり、安全保障しかり、首都人口の過剰は害悪しかない。今の東京は洪水を起こしている。
また中央に集まりすぎた民衆は内政的にも不穏分子となる。トクヴィルはフランス革命の有力な原因としてパリ一極集中をあげていた。(2)
こういったことを防ぐには、田舎から都会へと移り住んでいく人流をどこかの地点でせき止めておかなければならない。地方都市にはその受け皿としての役割がある。だから、なるべく衰退させない方がいい。
コロナを契機に、そういう国土計画の見直しがあれば良いと思う。
--
(1)地方都市とは、概ね県庁所在地の下位層にある市を想定している。
(2)『旧体制と大革命』(1998)